BS/CS を観るのに J:COM から HUMAX WA-7500 (以下 STB) を貸与されて、視聴・録画に利用しています。
この STB に USB HDD を接続して録画したデータを、Blu-ray Disc (以下 BD) にダビングし、HDD が壊れても観れるよう残したかったのが目的です。
購入したものは、STB から録画をダビングする為の NAS として、I-O DATA の RECBOX HVL-S3 (以下 RECBOX)、RECBOX から Windows PC へダウンロードを行うためのソフト PC TV Plus 、そして Windows PC で BD を焼くための BD ドライブ BRXL-PT6U2V-RDD の三点です。
STB から直接 PC TV Plus へダウンロード、書き出しができなかった為、中間に RECBOX を置いています。(2019.7.3 追記) ver4.0 から対応しています。
処理の流れは STB で手動でコンテンツを選択し、ダビング機能で RECBOX にダビングを行います、次に、PC TV Plus を使って RECBOX からダウンロード・書き出しを行い、最終的に STB にあったコンテンツを BD に記録しています。
ハマった点は、いくつか有ります、REXBOX から STB を認識してくれないため、ダビングしたいコンテンツを選ぶのに STB からしかできない、という点ぐらいで、ダビングの速度、確実性は問題ないようにみえます。
複数選択してダビングを行うと途中でギブアップしてしまうという状況です。23 個のファイルを選択してダビングを行ったら、18 ぐらいで勝手に終了していました。ダビングされなかった 5 個のファイルは STB 側に残っていたため、ダビングに失敗したというより、諦めたような挙動です。
とはいえ、RECBOX に録画できてしまえば、PC TV Plus へのダウンロード、BD への書き出しは問題なくでき、焼けた BD は PS3 で問題なく再生できました。
これで貯まっていた「怪しい伝説」を BD に残すことができる...。上記デバイス、ソフトの購入に至るまでの調査については後述します。
(追記: 2018/06/13) 書き出している途中で、「PC にダウンロード済みの番組のためスキップ」というエラーが出て、その番組を二度と BD に書き出せなくなった (PC 上に存在し再生はできる)。サポートに聞いてみると、ダビング制御の関係で、それ以上ダビング・ムーブができなくなったという意味のようだ。
結局、6 番組成功して 7 番組が書き出しできなかった。画面の表示上、成功した番組と失敗したものの間に差は見出せず、せいぜい録画した時期が失敗した方が新しいものが多い、というぐらいだった。
まぁ、書き出せなくなったものは動かしようがない...。
(追記: 2019/07/03) PC TV Plus Ver 4.0 に更新したら上記失敗した番組も書き出せるようになり、PC 内に留まっていた 7 番組全て取り出す事が出来た。
上記の通り、STB -> RECBOX -> PC TV Plus (Windows PC) の順でムーブしていって BD に焼けたのですが、それまで色々調査したので、そのまとめです。
録画データは著作権保護機能によって保護されており、DLNA 機能だけではネットワーク越しに再生、コピー(ダビング)、編集はできません。DTCP (DTCP-IP) の機能を持った NAS やソフトが必要です。また、録画・ダビングしたデータを BD, DVD に焼くには CPRM に対応したドライブが必要です。
問題なのは、DTCP-IP に対応していればどんな構成でも再生、ダビングができるのかというと、そうではありません。上記のように、DLNA の機能で送信先がトリガとなるダウンロードも、RECBOX -> PC TV Plus は出来ても、STB -> RECBOX は出来ない、という細かいできるできないがあります。また、STB -> PC TV Plus も出来ません。(Ver 4.0 からは出来ます)
このため、事前にできるかどうかの調査が必要です。PC TV Plus は制限付き体験版があり、事前に試せるようになっていますが、ハードが絡むものはできません。では、動作確認されているか確認してみます、Smart J:COM Boxと接続可能なDLNA対応録画機器を知りたい | JCOMサポート を見ると Panasonic, ソニー, 東芝, SHARP の BD レコーダについては定期的に確認が取られています。他の機器についてどうか確認していたところ、Smat TV Boxで、市販のハードディスクやNAS、録画機器は使えますか? | JCOMサポート に "LAN録画は、JLabs SPEC-020認定(「一般社団法人 日本ケーブルラボ」が策定した仕様)に準拠した機器をご利用いただけます。 " という文言がありました、JLabs SPEC-020 とは、JLabs (日本ケーブルラボ) という組織が認定している、ケーブルテレビ STB と DLNA (DTCP-IP) 機能で接続ができるかどうかの認定です。チェック内容はこんなの、認定された製品の一覧。一覧を見ると、HUMAX 製 STB の一覧と、I-O DATA の RECBOX の一覧があり、HUMAX WA-7500 も RECBOX HVL-S3 も一覧にあり、機能の利用可能性も問題無さそうです。
が、さらに問題が有り、上記一覧のページには "但し、録画した番組自体が編集(CMカットなど)された場合の再生は、運用仕様の対象外となっています" とあります。5ch, kakaku.com, Amazon のレビューを見る限りですと、編集には録画時の圧縮 (3 倍, 5 倍速) も編集に該当するようで、5ch の書き込みで、動作確認されている BD レコーダでも WA-7500 から SHARP の BD レコーダは圧縮しててもダビングできて、Panasonic のは出来ない、という話がありました。動作確認されていても、圧縮された録画データの転送が出来るかどうかわからない、というのは問題でした。STB の USB HDD には、容量を節約するため、常に 3 倍速で記録していたからです。
出来るかどうかの調査を続けていたところ、どうも DTCP-IP 機能付き DLNA のソフトウェアによる差ではないかと思い始めました。SHARP 製 BD レコーダは、DTCP-IP対応 DiXiM Media Server (もしくは DigiOn 製の SDK) を使っているようです。DigiOn のサイトの採用実績を見ると、SHARP の BD レコーダ、東芝のもこちらのようです。DigiOn 製のソフトは テレビ視聴アプリ | DiXiM Play を Android 上で利用しており、再生には問題がない事を認識済みです (まぁ再生するだけなら SONY 製の PC TV Plus も出来るんですが)。また、RECBOX は DiXiM Media Server を利用しているのを、双方のサイトで確認済みです。Panasonic の BD レコーダは DigiOn 製ではないようです。
というわけで、特定機器間の動作確認はどこでも確認できませんでしたが、状況的にうまくいきそうな材料はいくつか出てきました。最悪、今ある録画データはダビングできなくても、今後の録画は圧縮しなければ移せるようなので、それで良しとし購入に至りました。結果、問題なく圧縮データのダビングも出来ました。RECBOX 側トリガでダウンロードは出来ていませんが、STB 側で操作できるのであまり問題ではありません。
残りは BD ドライブです、PC TV Plus のサイトにはロジテック製 USB3.0 BD ドライブの動作確認がありました。動作確認はできていませんが、こちらは相性問題の類は少なそうなので、CPRM 対応していれば良さそうです。
PC 用 DTCP-IP 対応ソフトウェアはそもそも DTCP 自体国内専用規格な上、暗号鍵をデバイス上に持つ仕組みの為、開発できるところが限られます。その上、繋がる繋がらないの問題が非常に多い為、コストも高くなる状況です(RECBOX にしても PC TV Plus にしてもアップデートで○○で繋がらない不具合を修正、のような項目があります )。 sMedia 製のアプリにしてもソフトのレビューにはその手の不満が大量にあります。
PC 用ソフトは以前は DiXiM BD Burner 2013 というソフトがありましたが、Windows 10 以降がされず販売も停止されてそれ以降音沙汰ありませんでした。その後、気がついたら(失礼) SONY の PC TV Plus が SONY 製以外の機器への対応を拡充させ、後釜として使えるようになっていました。
国内市場が今後大きくなる可能性があまり無さそうなので、各社今以上に良くするコストをかけるとも思えず、ソフトの問題は今後も続きそうです。
PC TV Plus を使って、RECBOX 上の (STB からムーブした) 録画を書き出ししていたら、途中で「PC にダウンロード済みの番組のためスキップ」というエラーメッセージが出て失敗した。途中まで成功した分については問題なく再生できている。
失敗した番組は、PC 上に保存されておりこれも再生はできるが、ムーブができない状態になった。再度 RECBOX に戻そうとアップロードしようとしても同じエラーメッセージが出る。
ヘルプにも FAQ にもこのメッセージが何で、どうすればいいか書かれていないのでサポートに連絡したところ、下記のような返答があった
「録画データのコピー制御によって発生するメッセージであること」
「コピー・ワンスでも通常再ムーブはできるけど、コンテンツ配信元による制御で、できないよう設定できる」
「規格の問題なのでどうにもならない」
とのことだった。
「いや、DTCP の規格作ってるのあんたんとこ (SONY) もその一企業やんけ」と思ったり、「じゃあそれとわかるようにコピー不可ってアイコンにしてくれよ」と思ったり。とりあえず、起きている現象が何で対処不可と判明しただけでも良しとした。
結局、録り貯めた「怪しい伝説」の録画は半分ぐらいが BD に焼けて、半分 (ほぼ後半) はダメだった。新しい方がダメだったのが多いので、どっかのタイミングでディスカバリーチャンネル側の設定が変わったのかな...。
詮索してもしょうがないし、どうにもできないので、これはこれで区切りとして、あとは STB から RECBOX に直接録画でどうなるかを確認する予定。
最初から SHARP 辺りの BD レコーダを買っておけば良かったのかもしれないけど、これは正直予見できなかった (ムーブは何度でもできるはず、と思っていた) し、別の問題も起きたかもしれないので、次買う時の判断材料の一つとすることにする。4K が普及してからかな、とはいえケーブルテレビ使ってるかどうかもわかんないけど。
(追記 2018/8/10) PC TV Plus のサイトで facebook コメントを見ていると、Ver. 3.6 で同じ症状になっている人がいたので、ソフト側の不具合の可能性もありそう。録画データはどうにもならないので後の祭りですが。
(追記 2019/7/3) Ver. 4.0 に更新したところ、↑の問題で書き出し出来なかった録画データが書き出せるようになった。
ソフト更新のおかげか、再生期間延長 (CPFM の鍵の更新) のおかげかどちらかはわからないけど、これで当初の目的は果たせるようになった