ほったらかしにしてたぽえりなのレビューです。ちなみにwebの本家サイトはこちら。
まず、本書が他の初心者向けを謡うlinux本と大きく違う点が二点あります。一点目は「ユーザに作る事を促している」点、二つ目は「linuxに対する姿勢」であると思います。
一点目、書面でオープンソースは手作りの文化であると明確に解説しており、設定方法だけを記述するのではなく、オリジナルなテーマ作成を通じて「作ること」を押し出している点が本書の最大の特徴です。
二点目、「linuxに対する姿勢」は、「linuxへの熱意」とも言えるモノを感じたことです。GNOMEの設定だけを最小限解説するのではなく、壁紙の項目ではxsetrootの説明をしたり、ウィンドウマネージャではfvwmやwindow makerを解説する等、GNOMEの土壌であるX11について触れることで読者のlinuxにおけるデスクトップに関する理解を促すことができます。また、なぜデスクトップを飾るのかという根本を述べ、UNIXのwindow managerの系譜を説明する等、読者に知って欲しいという意欲を感じました。この点は本文の随所で感じることことができます。
本書では、なぜ壁紙を、テーマを、音声を設定するのか (動機)、どうそれを作成し、設定するのか(目的)という点を章節の始めで明らかにし、また本文の内容も簡潔で図を多く使っています。そのため、モチベーションの低い初心者でもすらすらと読み進められます。
章の始めの漫画も内容をある程度表した内容で、導入として機能しているといえるでしょう(初心者にとってわかりやすいかは疑問ですが)。節の終わりの対話形式のテキストも、良いインターバルになっていると思います。ただこの対話部分も漫画にできないだろうかと思いましたが。いろいろ狙い過ぎなのはご愛嬌でしょう。
ただ、残念なのは、やはり「萌え」が悪い影響を及ぼしているのではないだろうかという危惧をどうしても考えてしまう点です。「デスクトップの設定」というのは今の形のPCの初心者にとって、とっつきやすい題材です。本書がこの点についてしっかり解説できているのに、「萌え」の部分に引いて本書を手に取らないというのは(実際にそういう声を聞いていないのでなんとも言えないが、もしそういう事態だとしたら)正直残念に思います。
しかしながら、この本から「萌え」を取り除いて本を作ったとしたら、無味乾燥なつまらない本になっていたでしょうから、これはこれで良かったのですが...。
本書はlinux初心者に間違いなく勧められる本です。何より初心者向けの本でありながら実際に使えるものを「作ること」を促しているのがとても貴重だと思います。
こういう熱意と意欲に溢れた本をかいてみたいです。最近でたgimpの本とはえらい違いです。だいたいなんで今時gimp-1.2なんでしょう。
二点ほど、サッカーをやっていた人間として。
一つ目、なぜスローインでオフサイドを取る?スローインでボールを受けた時はオフサイドにならないってルールなのに。相手をこかせたとかはシミュレーションの判定のせいで判定が微妙になってしまう事や、本戦中アドバンテージが多かったことを考慮してもこれはおかしいだろうて。
二つ目、準々決勝、準決勝の日本の勝利を奇跡とか幸運とかいうけども、奇跡でもラッキーでも無くて、ああいう状況を生み出せた事こそが実力です。結果だけ、あのシーンだけ見ればたまたまそこに選手がいたと素人には見えるだろうけど、「そこにいれた」事がその選手の実力であるといえます。
サッカーで大切だと自分が思うのは(少なくともDFは)、ボールの扱いより、ポジショニングです。ボールの行方、相手の動き、味方の動きを見ながら自分がどこにいるべきか判断するポジショニングができなければまともなサッカーなんてできないです。つまり「そこにい(れ)た」ということがとても重要なんです。