オープンソースはビジネスになりえるか等のネタ。
退社する前に今日の成果を上げておきたい(サブミットしておきたい)気持ちはあるが、それでバグが発生したとき他の人に対して重大な時間のロスを与えることになる。とのこと。
「希望格差社会」の方はneet絡みでリンク先にあり興味があったので購入、「内側から見た富士通」の方はどっかで薦められていて、ちょうど本屋にあったので購入、という流れ。
どちらも全く異なる分野の本だが、交互に読んでるとなぜかリンクしてきた。旧態然とした会社が抱える人事の問題について、前者が今までの若者の就職過程から話をしている部分があり、後者は変わろうとしながら変われなかった会社の中から話をしていたからかもしれない。
書評についてはリンク先のページに一杯あり、概ね間違ってはいないと思う。「希望格差社会」はマクロな視点からフリーター問題を詳細に解説している本で、今まで見聞きした話の中で一番踏み込んで解説していると思った。文章は簡潔で読み易く、また参考文献への言及も細かくまとまっているので諸処の点について詳しく調べたい時に役立つ。
「内側から見た富士通」の方は、amazonの書評で元居た会社に対する悪口じゃないか、という意見もあるが、悪口かどうかは置いておいても、人事制度のダメさをわかりやすく説明した十分説得力のある文章だと思った。本の中で、ごく自然なように形骸化し、改悪されていく成果主義の人事制度には少しゾクッとした。今まで、成果主義は公正な評価さえあれば良いと考えていたが、組織全体の変革が必要だという事がよくわかる話だった。
しかし、富士通の未曽有の不祥事(契約解除等)と人事制度の繋がりが少々弱く、「あぁなるべくしてなったんだなぁ」という気はするが、本の中で執拗に人事制度の愚かさを記述している勢いに較べると明らかにその過程が弱かった。これについては、筆者が人事の人だったから、詳しくはわからなかったという気もしないではないが。また、最後に日本企業にあった成果主義の形を提案しているが、イマイチこれでよいのかと疑ってしまうものだった。とはいえ、これは銀の銃弾が存在しないということが言いたいのかもしれない。
この本の中で、当初、社員の評価が相対評価(成果に応じて社員をランキングするが、ランクに対する社員数の割合が一定なので、Aという評価の人が割合以上なら、溢れた分の人-つまりAの中でも評価が低い人-の評価がBに落ちる)で行われており、これが社員のモチベーション低下に繋がったとしているが、今月のJavaWorld(2005/1月号)で中国のSE事情に関する記事があり、この中でこの相対評価式の成果主義がうまくいっている会社の話があった。適用される状況によってどちらにでもなるんだなぁと読みながら考えさせられた点だった。
後、この本のおかげで以前読んだ、秋草社長の「くだらない質問だ」発言(闘わないプログラマNo.199)の背景とその周辺がよくわかった。